●第11話 回想法との出会い、どんな効果があるの?
認知症の方への関わり方を模索していた私は、書店で本を探していました。レクリエーションの本の中に「回想法」と呼ばれるものがあり興味をひきました。
回想法とは、昔の話を聞くことで、記憶力の改善や維持、生活意欲を向上させる心理学的な療法であると書かれてました。昔話をすることで、記憶力や生活意欲の改善につながるのであれば、素晴らしい方法だと感じ、それ以降は積極的に昔の話を引き出すようにしていきました。
ご利用者一人ひとりには、なにか得意だった、自慢したいような過去のエピソードは必ずあるものであり、鉄板ネタとして何度も繰り返し聞いても、いきいきとした表情で話されます。そうすることで過去の良い経験の感覚が再現されて、生活意欲につながると実感しています。
また認知症の方は、同じ話を何度もするから困るという考えも、それだけ繰り返して話すエピソードの背景には、なにか大事なメッセージが秘められているのだと思い、お話を聞くことで楽しく受け止めることができるようになりました。