●第16話 有料老人ホームへの転職、やりたいことを叶える介護とは
大学院に無事合格して、翌年の春から仕事をしながら大学院に通学することになりました。
地元の特養からは仕事を終えて大学まで通えないことから、名古屋近辺にある有料老人ホームへ
転職することにしました。その会社は全国に有料老人ホームを展開しており、研究をする時に協力をしやすいという理由もあり、面接で事情を伝えてたうえで採用されました。
この会社では、社内研修制度がしっかりとしており、施設の管理職にあたる人が講師として、介護の考え方や技術などを、スタッフに教えていました。理念もしっかりとしており、ご利用者さまの喜ばれることをしていく方針が貫かれており、相手の方のニーズにあわせた外出プランを作成して、半日から1日もしくは、旅行もありましたが、スタッフが終日付き添いにて、ご利用者のやりたいことを叶えていきました。
ご利用者のやりたいことを引き出すためにも、その方の過去の人生をお聞きすることは必須であり、回想法(昔のことをお聞きする、思い出してもらう療法)を活用できるピッタリの環境でした。ご利用者の方に「ここまでしてくれて、本当にありがとう」と言われたり、喜ばれる姿をみることは、介護の仕事をしていく、やりがいにつながりました。
施設にはいったら、自分のやりたいことはできなくなるのではないかという諦め、こんなことを頼んでもいいかという遠慮も、小さい夢を実現することで、「今度はこんなことをしてみたい」と、ご利用者の方から要望がでるようになり、生き生きと生活されるようになります。
小さな積み重ねがお互いの信頼関係を深めていきます。有料老人ホームでは、豊かな充実した人生を送るためのあり方を経験させてもらいました。